
今回は、イギリスの老舗ブランド AUDIENT が送り出す「iD24」を実際に使ってみた感想を、音質・操作性・拡張性など多角的にレビューしていきます!
いい機材なのに情報も使っている人もかなり少ないので貴重なレビューになるかと思いますのでぜひ最後まで読んでください!
何が”次世代”なのか
AUDIENT iD24が「次世代」と言われる理由
1. プロコンソール級のマイクプリアンプをコンパクトに搭載
- Audientの大型コンソールと同じClass-Aマイクプリアンプを採用。
- 自宅でもスタジオクオリティの録音が可能。
- 透明感のある音質と低ノイズ設計は、従来のホーム向けIFとは一線を画す。

2. ADAT拡張による柔軟な入出力設計
- ADAT入力により、最大10チャンネルの録音が可能。
- 将来的な機材拡張にも対応できる設計は、長く使える「育てられる機材」。
- ドラムのマルチマイク録音やバンド録音にも対応できる拡張性。
3. USB-C接続で高速・安定通信
- USB-Cによる安定した接続と低レイテンシー。
- バスパワー駆動にも対応し、モバイル環境でも使いやすい。
4. iDボタンによるスマートコントロール
- ワンクリックでモニターのボリューム調整、トークバック、DIM、CUTなどを操作。
- ハードウェアとソフトウェアが連携した直感的なワークフロー。
5. 高性能AD/DAコンバーター(32bit/192kHz)
- ハイレゾ音源の制作にも対応。
- ミックス時の定位や奥行きが明瞭で、判断がしやすい。
6. トークバック機能の内蔵
- DAWからのコントロールだけでなく、iD24本体でトークバックが可能。
- 自宅録音でも複数人のセッションに対応できる設計。
デザインとビルドクオリティ:洗練されたプロフェッショナル感
まず手に取って感じたのは、筐体のしっかりとした作り。ボディは高級感があってかっこいい。置いておくだけでテンションあがりますね。
ノブやボタンの質感もいいですね、メインノブとヘッドホンボリュームが分かれているので操作もシンプルで使いやすいです。
入力部には48vとpadとローカットがオンオフできるミニスイッチが付いていてすべて上面に集約されているので操作性が良いです。
音質:Audientならではの透明感と奥行き
最大の魅力はマイクプリの音質!
搭載されているClass-AマイクプリアンプはAudientの大型コンソールと同じ設計思想で作られていて、特にボーカル録音では息遣いや細かなニュアンスまでしっかりと捉え、実用にも全く問題ないです。
AD/DAコンバーターも非常に優秀で、ミックス作業も問題なくこなせる解像度と奥行きを感じられます。
操作性:直感的でスムーズなワークフロー
フロントパネルにはゲイン調整ノブ、モニターコントロール、iDボタンなどが配置されており、操作は非常にシンプル。
特に「iDボタン」は、モニターのボリュームを一時的に下げたり、トークバック機能を呼び出したりと機能を自分で割り当てられるんですが、僕はあまり使わないです。
また、専用ソフトウェア「iD Mixer」も使いやすいです。動作も軽くて一瞬で開くので、すぐに操作ができるのがうれしいところ。
ルーティングやモニター設定が直感的に行え、初心者でもすぐに使いこなせる設計だとおもいます。
拡張性:ADATで最大10入力まで対応可能
iD24はADAT入力を備えているため、外部のマイクプリやデジタル機器を接続することで最大10チャンネルの録音が可能になります。
特にドラムレコーディングで使われることが多いと思いますが、プリアンプは二つしかないので音質が変わってしまう懸念あり。
他にはS/PDIFにも対応しているため、デジタル機器との連携もスムーズ。将来的な機材の拡張にも柔軟に対応できる設計です。
【AUDIENT iD4とiD14との比較表】
最後にシリーズ別で比較してみました!
機種 | iD4 MKII | iD14 MKII | iD24 |
---|---|---|---|
マイク入力 | 1ch | 2ch | 2ch |
楽器入力 | 1ch(Hi-Z) | 1ch(Hi-Z) | 1ch(Hi-Z) |
ライン出力 | 2ch | 4ch | 4ch |
ヘッドフォン出力 | 1系統 | 2系統(独立) | 2系統(独立) |
デジタル入力 | なし | ADAT(最大8ch) | ADAT(最大8ch) |
デジタル出力 | なし | なし | ADAT / S/PDIF |
USB接続 | USB-C | USB-C | USB-C |
モニターコントロール | 最小限 | iDボタンあり | iDボタン+DIM/CUT/ALT |
価格帯(目安) | 約¥20,000〜 | 約¥35,000〜 | 約¥55,000〜 |
各モデルの特徴と選び方
iD4 MKII:シンプルで高音質、ソロ向け
- 入出力は最小限ながら、Class-Aマイクプリ搭載で音質は抜群。
- ポッドキャスト、弾き語り、ナレーション録音などに最適。
- コンパクトで持ち運びにも便利。
👉 「とにかく高音質で、シンプルに使いたい」人向け
iD14 MKII:拡張性とバランスの良さ
- 2chマイク入力+ADAT入力で最大10chまで拡張可能。
- ヘッドフォン出力が2系統あり、セッションにも対応。
- モニターコントロールも充実し、DTM用途に最適。
👉 「自宅で本格的に録音したい」「将来的に拡張したい」人向け
iD24:プロ仕様の柔軟性と操作性
- iD14の機能をベースに、さらにデジタル出力やインサート端子を追加。
- 外部機材との連携がしやすく、アウトボードやAD/DAコンバーターも活用可能。
- モニターコントロールが豊富で、スタジオライクな操作感。
実際に使ってみて感じたこと
ボーカルやアコースティックギターのレコーディングに使用してみましたが、同価格帯ではクオリティが圧倒的でした。
ノイズの少なさ、音の立体感、そしてアナログ感。どれを取っても唸らされる完成度です。
また、USB-C接続で安定性も高く、長時間のセッションでもトラブルなく動作してくれる点も安心材料。WindowsでもmacOSでもスムーズに動作するので環境を選ばないのも魅力です。
総評:価格以上の価値がある一台
AUDIENT iD24は音質・操作性・拡張性のすべてにおいて高いレベルでバランスが取れたオーディオインターフェイスです。
価格帯としては中堅クラスですがその性能はプロフェッショナル仕様でこれから音楽制作を本格的に始めたい人にも一度は候補に入れていただきたいです。
すでに制作環境を持っている人にも、試してもらいたい一台だと思いました。