
FIIO K13 R2Rは2025年10月に登場した最新の据え置き型DAC/AMP。人気だったK7の後継機って聞いてたんだけど、実際に触ってみると見た目も仕様もガラッと変わってて「これは別物だな」って印象でした。
僕自身、平面駆動型のヘッドホンをちゃんと鳴らし切れるパワーのあるアンプが欲しかったんですよね。K13 R2Rは最大2400mWの出力があるから、その点は安心。しかもサイズはそこまで大きくなくて、デスクに置いても邪魔にならないのが嬉しいポイント。
さらにBluetooth対応でワイヤレス再生もできるし、スピーカーアウトまで備えてるので、ヘッドホンだけじゃなくスピーカー環境にも繋げられるのが便利。僕みたいに「コンパクトで多機能、でも音質は妥協したくない」って人にはかなり刺さるモデルだと思います
そして機能性のところで解説していますが、導入を検討するうえでの最大の注意点:ラインアウト爆音問題があります。
しっかりレビューしていきますので参考になればうれしいです。
FIIO K13 R2R 本体仕様
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ブランド / モデル | FIIO K13 R2R |
| 発売日 | 2025年10月 |
| 参考価格 | 約48,000〜54,000円 |
| DAC方式 | 独自開発フルバランス24bit R2RラダーDAC |
| 最大出力 | 2400mW(32Ω時) / 150mW(300Ω時) |
| 出力インピーダンス | <0.7Ω(32Ω負荷時) |
| サンプリング周波数 | USB:PCM 384kHz / 32bit、DSD256 同軸:PCM 192kHz / 24bit、DSD64 光:PCM 192kHz / 24bit |
| DSD対応 | DSDネイティブ再生対応 |
| モード切替 | NOS(非オーバーサンプリング) / OS(オーバーサンプリング) |
| EQ機能 | 10バンドPEQ |
| Bluetooth | Ver.5.4 / LDAC対応 |
| ヘッドホン出力端子 | 4.4mmバランス、6.35mm標準 |
| ライン出力端子 | XLRバランス、RCA |
| デジタル入力 | USB-C、同軸×1、光×1 |
| 電源 | AC電源(低ノイズ設計) |
| ディスプレイ | 高解像度LCD |
| デザイン | 天窓付きアルミボディ、RGBライティング調整可能 |
| サイズ / 重量 | コンパクト据え置き型(詳細寸法未公表) |
K13 R2Rは「K7の後継機」として登場したんですが、実際の仕様を見てみるとかなり方向性が違います。
まず一番大きな違いはDAC方式。K7は一般的なΔΣ(デルタシグマ)DACを採用していたのに対して、K13 R2Rは独自開発のフルバランス24bit R2RラダーDACを搭載しています。これによって「温かみのあるアナログライクな音質」と「現代的な解像度の高さ」を両立しているのがポイント。
出力も大幅に強化されていて、K7が最大2000mW(32Ω時)だったのに対し、K13 R2Rは2400mW(32Ω時)まで出せるので、平面駆動型ヘッドホンでも余裕で鳴らし切れる駆動力があります。
さらに機能面でも進化していて、K7にはなかったNOS/OSモード切替や10バンドPEQを搭載。Bluetoothも最新のVer.5.4に対応していて、LDACでの高音質ワイヤレス再生が可能になりました。
デザイン面も大きく変わっていて、K7はシンプルな黒筐体だったのに対し、K13 R2Rは天窓デザインで内部回路が見える仕様。RGBライティングも調整できるので、デスク上での存在感はかなり違います。
まとめると、K7が「エントリー向けの据え置きDAC/AMP」だったのに対して、K13 R2Rは「より本格的なリスニング機」として進化した印象。コンパクトさは維持しつつ、音質・機能・出力すべてがワンランク上になっています。

付属品はこんな感じ
デザイン・操作性

K13 R2Rの見た目はかなりユニークで、天窓から内部回路が見えるデザインは「据え置き機らしい存在感」があって所有欲をくすぐります。高解像度LCDディスプレイも付いてるんですが、表示される情報は最小限で、正直「もうちょっと便利にしてほしいな」と思うところ。
操作性に関しては、やっぱりいまいち。出力の切り替えや設定変更をするたびにノブを何度も押さなきゃいけなくて、しかもノブが軽いから押し込んだ瞬間に回ってしまって選択肢がズレることがあるんです。細かい操作をしたいときにちょっとストレス。
リモコンも付属してるけど、できることは限られていて細かい設定までは触れないので「音質重視で割り切った設計」って感じですね。あと、筐体の質感は悪くないんですが、指紋が結構付きやすいのも気になるポイント。
ポイント
- 「天窓デザイン=所有欲を満たす」ポジティブ要素
- 「ノブの軽さ」「操作の煩雑さ」「指紋が付きやすい」など、ユーザー目線の不満点を具体的に書くとリアルさが増す
- 「音質重視で割り切った設計」というまとめ方で、欠点をポジティブに受け止める余地を残す
機能性レビュー
K13 R2Rは機能面もかなり充実しています。まず面白いのがNOS/OSデュアルモード。NOSはナチュラルで柔らかい音、OSは解像度がグッと上がる音って感じで、切り替えると違いがハッキリ分かるので「曲によって使い分けたいな」と思える機能です。
さらに10バンドPEQが搭載されていて、細かく音質を調整できるのも嬉しいポイント。自分好みに追い込めるので、ヘッドホンやスピーカーのキャラに合わせて調整する楽しみがあります。
入出力端子も豊富で、USB-C、同軸・光入力、XLR/RCA出力、4.4mmバランス、6.35mm端子と一通り揃っています。しかも端子の抜き差しがすごくなめらかで、作りの良さを感じました。こういう細かい部分の仕上げがしっかりしてると安心感がありますね。
Bluetoothは最新のVer.5.4(LDAC対応)で高音質ワイヤレス再生が可能。ただ、据え置き機としてPCと常時接続して使うなら「正直なくても困らないかな」という印象。僕自身たぶん使うことはないと思います。
電源まわりの楽しみ方

K13 R2Rは電源がインレット式になっているので、付属ケーブルだけじゃなく好みの電源ケーブルに差し替えられるんです。これがけっこう楽しくて、ケーブルを変えると音のキャラクターが微妙に変わるのを体感できます。
据え置き機ならではの「電源いじりの楽しみ」が味わえるのは嬉しいポイント。音質を追い込む人にとっては、アンプ本体だけじゃなくケーブル選びも含めてチューニングできるのが魅力ですね。
最大の注意点:ラインアウト爆音問題

K13 R2Rをスピーカーと接続して使う場合、出力設定がこの「LO(ラインアウト)」になってるとマジで危険です。というのも、この「LO」設定だとラインアウトの音量が固定最大出力になっていて、ボリューム操作が一切効かなくなるんです。
僕も一度やらかしてしまって、スピーカーに繋いだまま「LO」で再生したらとんでもない爆音が出て、耳も機材も壊れる寸前でした…。ほんとに冷や汗モノ。なんでこんな危ない仕様があるのか不思議なくらい。
スピーカー出力にするなら、必ず「Pre」モード(音量調整可能な出力)にしておくのが鉄則です。とはいえ、本体のノブもリモコンも「うっかり押しちゃいそうな位置」にあるので、設定変更には注意が必要。特にスピーカー常設環境で使う人は、起動時の出力モードを毎回確認するクセをつけた方がいいです。
- 「LO」モードはラインアウトが最大音量固定になるので超危険
- スピーカー接続時は必ず「Pre」モードにすること
- 本体・リモコンともに誤操作しやすい位置にあるので注意
- 起動時の出力モード確認は習慣にすべし
価格・コストパフォーマンス
K13 R2Rの市場価格はだいたい48,000〜54,000円くらい。据え置き型DAC/AMPとしては中堅クラスの価格帯だけど、この値段でR2R DACを積んでる機種ってほとんどないんですよね。
R2Rっていうと高級機にしか載ってないイメージがあるけど、K13 R2Rはその壁をぶち破ってきた感じ。しかも2400mWの高出力、PEQやBluetooth、XLR出力まで付いてて、機能面もかなり盛りだくさん。
正直、音質・機能・出力・デザインを全部ひっくるめてこの価格なら、コスパはめちゃくちゃ高いと思います。K7からのステップアップにもぴったりだし、初めての据え置きDAC/AMPとしても十分すぎる性能。
音質レビュー!

K13 R2Rを聴いてまず感じたのは、解像度の高さと輪郭の明瞭さ。低音域はしっかり重みがあって質感も豊か、高音域は滑らかでクリアに伸びてくれるので、全体の見通しがすごく良いです。
R2Rって「柔らかくてアナログライクな音」ってイメージが強いんですが、K13 R2Rはそのイメージをいい意味で裏切ってきます。むしろ現代的でクリアな方向性に寄っていて、解像度を重視する人にはかなり刺さると思います。
女性ボーカルに関しては、艶っぽさではK9 AKMの方が一歩上かなという印象。ただ、K13 R2Rは全体的にバランスが良くて万能型。ジャンルを選ばずに楽しめるのが強みです。
出力は最大2400mW(32Ω時)と十分すぎるパワーがあるので、大型ヘッドホンでも余裕で駆動可能。実際にHIFIMAN Aryaで試したところ、駆動力は全く問題なし。K7と比べるともう別次元で、クリアさも解像度も大幅に向上していて、音の傾向そのものがかなり変わっています。
まとめ・総評
FIIO K13 R2Rは、据え置きDAC/AMPとしてかなり完成度の高い一台でした。解像度の高さ、重厚な低音、2400mWの高出力、多機能、そしてR2R搭載でこの価格帯というコスパの良さは本当に魅力的。
一方で、操作性はちょっと不便。ノブの押し込みやリモコンの制限、指紋が付きやすい筐体など細かい不満は残ります。あと女性ボーカルの艶っぽさはK9 AKMの方が得意かなという印象。
それでも「音質重視で据え置きDAC/AMPを探している人」には間違いなくおすすめできるモデルです。K7からのステップアップにもぴったりだし、初めての据え置き機としても十分すぎる性能。コンパクトで高出力、そしてR2Rらしい温かみを楽しめる一台として、長く使える相棒になってくれると思います。
