機材レビュー

SONY MDR-MV1 実機正直レビュー!DTM・ミックスでつかえる??の疑問にお答え

sonyと言えば、MDR-CD900STで密閉型のモニターヘッドホンが有名ですよね。日本のスタジオならどこにでも置いてあってThe First Take でもおなじみのあの赤いやつ。
そんなsonyから背面開放型のモニタヘッドホンが登場しました!
じっくり使ってみて正直レビューしていきます!機材選びの参考になればうれしいです。

製品概要と特徴

  • ドライバーユニット:40mm、ドーム型(CCAWボイスコイル)
  • 再生周波数帯域:5Hz~80,000Hz
  • インピーダンス:24Ω
  • 質量:約223g(ケーブル除く)
  • ケーブル長:2.5m(着脱式、片出し)

背面開放型(オープンバック)構造とは

背面開放型とは、ヘッドホンの耳を覆う部分でハウジングと呼ばれているところに、空気や音の逃げ道である穴が開いている構造のことです。メーカーいわく、通常の開放型ヘッドホンとの違いは特にないとのこと。

専用開発の40mmドライバーとは?

MDR-MV1に搭載されているドライバーは、既存のMDR-CD900STやMDR-M1STと同じ40mm径ながら、MV1専用に新設計されたユニット

技術的ポイントは振動板の形状やコルゲーション(波状加工)が最適化されていて低歪で繊細な音も表現可能。

とにかくこのドライバーは、空間オーディオやハイレゾ音源の再生に必要な「広帯域・高解像度・定位の明瞭さ」を意識して設計されていることがわかりますね。

インピーダンスが24Ωなのでスマホでも問題なく再生可能。DAC使用時との音質も大きく変わることなく、音量も十分取れます。

猫もびっくり!驚異の5Hz~80kHzまで再生可能な広帯域設計!

人間の可聴域は約20Hz〜20kHzと言われていて、それ以上と以下は聞き取ることができないのでハイレゾは猫用なんて言われたりしますが、これは猫もびっくりの80kHzまで再生可能!

このドライバーがもたらす価値としてメーカーが謳っているのは、

  • 空間の奥行きや動きが見えるようになる
  • 音の分離感と定位が明瞭で、ミックス判断がしやすい
  • ハイレゾ音源の情報量を余すことなく再現できる

使用感、音質レビュー!使って分かるMDR-MV1の魅力

装着感◎軽くて、快適。ずっと着けていたくなる最高。

長時間作業をするDTMerにとって軽いモニターヘッドホンは正義。約223gは今までに使ったヘッドホンで一番軽いと思いました。
装着感も抜群に良くて背面開放型ならではの通気性で、長時間のミックス作業でも蒸れや圧迫感を感じず、集中力が途切れません。
夏場でも快適に使えるのは、地味だけど大きなポイント。

その代わり音は盛大に漏れます。静かな屋内以外で使用するのは難しいと思います。

定位の明瞭さと空間の広がりが圧倒的

最初に感じたのは、まるでスピーカーのような背面開放型ならではの空間の広がりが圧倒的で、自然な音場。
ボーカルのリバーブの残響や定位の動きが立体的に感じられて空間表現がすごいです。今流行りのイマーシブ音響がヘッドホンで再現されている感じ。これで見る映画が最高だぜ。

定位が明瞭でパンニングされたギターやシンセの位置がくっきりと分かるので、細かい定位調整作業が一段と楽しくなります。
判断が、耳だけでなく感覚でできるのは、MDR-MV1ならではの強みですね。

音質について

広帯域設計の恩恵か、解像度は高いです。特に高域の再現性が優れていて、ハイハットや弦楽器の余韻や倍音のきらめき、いわゆる空気感が感じ取れるように繊細に再現されています。
定位が優れているので分離感もよく、聴きたい楽器の音を聴きとれます。

低域は量感多めなので低いところが少しもたついている印象です。開放型にしては低域も良く再現されていると思いますが、ここが少し意見が分かれるところかな。
高域が強調されているので埋もれている感じはなく、アタックは明瞭でBASSの輪郭も感じられます。そこでバランスが取れている感じですね。

まとめ

音楽制作で使用可能かと言われたら、問題なく使えると思います。

この価格帯だと他のミックスに特化されたモニターヘッドホンとも比較するのがいいと思います。

ただ、普通の開放型ヘッドホンとはテイストが違うので一度視聴してみて気に入れば唯一の推しホンになるでしょう。

再生帯域80kHzの恩恵はどこまで受けられるかは人によると思いますが、空間の表現と再現力は間違いなくNo.1です。

映像コンテンツでの使用もおすすめです。