

HD490PROはゼンハイザーが2024年にリリースした開放型スタジオモニターヘッドホン。プロユースを意識した設計で、YouTubeではたくさんのプロに評価されている印象です!リスニングにも対応できる柔軟性を持っていて、2種類のイヤーパッドによる音質の切り替えが楽しいです。しっかりレビューしますので、参考になればうれしいです!
基本スペック一覧
項目 | 詳細 |
---|---|
型式 | 開放型ダイナミックヘッドホン |
ドライバー | 38mm ネオジム磁石採用 |
周波数特性 | 5Hz – 36kHz |
インピーダンス | 130Ω |
最大音圧レベル | 128 dBSPL |
ケーブル端子 | mini XLR(左右着脱可能) |
重量 | 約260g |
付属イヤーパッド | ベロア(制作用)/ファブリック(ミックス用) |
サウンドハウス価格 | ¥58,820(税込)(2025年8月時点) |

特徴とポイント
- 開放型なのに低域がしっかり出る
開放型ヘッドホンでは難しいとされている低域の再現性を、見事にクリア。特にベロアパッド使用時には、温かみのある豊かな低域が得られ、リスニングにも十分対応できます。 - 2種類のイヤーパッドで音のキャラを切り替え可能
- ベロアパッド:低域の量感が多めで、音楽鑑賞向き
- ファブリックパッド:スッキリとした音像で、ミックスや分析作業に最適
- 左右どちらにもケーブルを装着可能な設計
mini XLR端子を左右どちらにも装着できるため、作業環境に合わせた柔軟な取り回しが可能。バランス接続も可能!
使用環境とレビューの前提
HD490PROは、開放型モニターヘッドホンとして半年間じっくり使い込んできました。主な用途はDTM、ミックス、そしてリスニング。
使用環境は自宅スタジオ。オーディオインターフェースにはANTELOPE AUDIO ( アンテロープオーディオ ) Discrete 4 Pro Synergy Coreを使用し、DAWはCubase Proを中心に運用。音源はハイレゾからストリーミングまで幅広く、ジャンルはロックやボカロなどのポップが多いです。
日常的な制作作業や音楽鑑賞の中で得られたリアルな使用感をレビューしていきます!
音質レビュー!あっさり軽い音。これこそ。。。
音が軽い?それでも使える理由
HD490PROを初めて聴いたとき、「あっさりしていて平坦」「音が軽い」と感じました。開放型らしい空気感はあるものの、低音も高音も控えめで、派手さはありません。
物足りないわけではなくて、どの帯域も主張せずに一列に並んでいる感じ。これがどフラットな音だ、と言われたらそうなのかもしれない。
分離感と定位:ミックス時に頼れる精度
HD490PROの真価は、分離感と定位の良さ。各パートの音像が明瞭で、パンニングや空間処理の確認が非常にしやすい。情報量の多いアンビエントやシネマティック系では環境音などもかなりリアルに再現しています。
これはミックス専用機と言っても過言ではないかもしれない。
イヤーパッドの違い:音のキャラが変わる2つの選択肢

HD490PROには、ベロアとファブリックの2種類のイヤーパッドが付属しており、音の傾向が大きく変化します。
パッド | 音の傾向 | 用途向き |
---|---|---|
ベロア | 低域豊か、ウォーム | リスニング向き |
ファブリック | スッキリ、分離感◎ | ミックス・DTM向き |
筆者はファブリックパッドを好んで使用。スッキリとした音像で、ミックス時の判断がしやすく、作業に集中できました。一方、ベロアパッドは低域が豊かになり、音楽鑑賞時には心地よいウォームさが加わります。
画像ではわかりにくいけど、実際は材質も耳あたりも結構違ってくる。
装着感・使い勝手 “軽い”は正義
HD490PROは、開放型ヘッドホンらしく盛大に音が漏れるタイプで、静かな室内以外ではリスニングは厳しいです。装着感は、本体がめっちゃ軽くて付けているのを忘れます。側圧も軽く、イヤーパッドも柔らかいため、一日中つけていても何ともありません。実際に半年ほど毎日使って他のヘッドホンに替えた時は、重くて首が痛くなりました。
そして便利なのが、ケーブルの着脱位置を左右どちらにも選べる点。これはユーザー目線の素晴らしいナイスアイデアだと思います!楽器を弾くときのケーブルの取り回しに合わせて変えられるのは地味ながらすごく便利。左右の端子を両方使用してバランス接続もできるみたいですね!
メガネとの相性も良くて、イヤーパッドが柔らかくて本体も側圧も軽いのでフレームが圧迫されることなく快適に装着できます。筆者自身もメガネユーザーですが、長時間の使用でも音質の違いや耳周りの違和感はほぼありませんでした。
用途別の評価まとめ
用途 | 向いている度 | 理由 |
---|---|---|
DTM | ◎ | 分離感・定位が良く、ファブリックパッドが最適 |
ミックス | ◎ | 音の見通しが良く、長時間使用も快適 |
リスニング | ◯ | ベロアパッドで低域が豊かになるが、派手さは控えめ |
総評とおすすめポイント“地味だけど、使える”開放型モニター
HD490PROは、最初に聴いたときこそ地味で面白くないと感じるかもしれません。ですが、半年使ってみるとその地味さが制作現場において大きな武器になることがわかりました。
だけじゃなく、機能性もユーザー目線で洗礼されていて、快適に音楽制作に没頭できる工夫が素晴らしいです。特に、二種類のイヤーパッドを用途に応じて音のキャラクターを変えられる柔軟性は、他の開放型モニターにはない魅力です。
装着感も非常に快適で、長時間の作業でも疲れにくい。左右どちらにもケーブルを装着できる設計は、地味ながら日々の使い勝手を大きく向上させてくれます。
こんな人におすすめ
- DTMやミックス作業で、フラットを感じたい人
- 長時間の制作でも疲れにくい開放型モニターを探している人
- リスニングと制作を1台で両立したい人
- HD600シリーズではしっくりこなかった人
SENNHEISER HD490PROは、派手さよりも機能性と実用性を求める人にこそ刺さる一台です。