
オーディオインターフェース選びで迷ったとき、最終的な決め手になるのは「音質」ではないでしょうか。スペックや価格も大事ですが、実際に耳に届く音がどう変わるかが機材選びの楽しいところですよね。
僕自身、これまで複数のインターフェースを試してきましたが、MOTU M4を使った瞬間にこの価格ではありえない、心霊現象にも近い体験をしました(笑)ボーカルの息遣い、空間の奥行き、楽器の分離感が完全にハイエンドモデルでした。
この記事では、MOTU M4の音質を中心に、実際の使用感や他機種との比較、配信・録音用途でのメリットまで徹底的にレビューしていきます。初心者にもわかりやすく、 「SSL2+ や iD14 と迷っている」「そろそろステップアップしたい」という初心者〜中級DTMerの方に向けて、なるべくわかりやすく書いていきます。音質にこだわる人には刺さる内容を目指します。
MOTU M4 スペック概要
項目 | 内容 |
---|---|
接続方式 | USB-C(USB 2.0互換) |
入出力 | 4イン / 4アウト(XLR/TRSコンボ ×2、ライン入力 ×2、ライン出力 ×4) |
マイクプリ | 高品位マイクプリ搭載、最大ゲイン60dB |
AD/DA変換 | 最大24bit / 192kHz |
モニター機能 | フロントパネルに高精細LCDレベルメーター(ステレオ表示) |
ループバック機能 | 標準搭載(配信・録音に便利) |
ヘッドホン出力 | 独立ボリューム付き、出力も十分高め |
電源 | USBバスパワー駆動(外部電源不要) |
対応OS | Windows / macOS(ドライバ安定性も高評価) |
サイズ・重量 | 約208 × 103 × 45 mm / 約0.5kg |
実用ポイント
- LCDメーターが超便利:録音レベルの視認性が高く、初心者でも安心して使える。
- ループバック搭載:配信者やYouTuberにも嬉しい機能。OBSやZoomとの相性も◎。
- USB-C接続で安定:ノイズや遅延が少なく、音質に直結する安定性。
上位機種にも使われる高性能なAD/DAコンバーターチップを採用。これだけでは音質は決まりませんが、実際このパーツがかなりミソでクリーンかつ解像度の高い音質が期待できます。シンプルながら上位機種譲りの高音質回路を搭載しているのが一番の売りであり特徴です。特にLCDのレベルメーターは、この価格帯では他になく、ポイント高いです。
音質レビュー|聴こえなかった音が聴こえるという体験
解像度と分離感:音の輪郭がくっきり浮かび上がる
MOTU M4を導入して最初に感じたのは、音の「分離感」と「立体感」。
ボーカルの息遣いや、ギターのピッキングのニュアンス、リバーブの余韻まで、これまで埋もれていた音が前に出てくる感覚があります。
特に女性ボーカルとの相性がよく、表現力が空間の奥行きが自然に広がる印象。
「音が前に出てくる」というレビューが多いのも納得です。
使用環境と試聴機材
-ヘッドホン:HIFIMAN Edition XS / Beyerdynamic DT990 PRO – モニター環境:静音PC+Studio One / Audacity – 音源ジャンル:アコースティック、シネマティック、J-POP、Lo-fi
Edition XSでは空間表現がより広がり、DT990 PROでは高域の伸びが心地よく、M4の解像度の高さがしっかり活きます。
音質レビューまとめ
- 解像度・分離感が抜群で、音の輪郭が明瞭
- 空間表現が自然で、定位も安定
- ボーカルやアコースティック系に特に強み
- 他機種よりも「音に集中できる」設計
使い勝手・操作性がシンプル。音質に全振り設計。
MOTU M4って、操作がめちゃくちゃシンプルで直感的なんですよね。その無駄な機能がない分、音質に全振りしました感が潔くて好き。コストカットするべきところがユーザーのことをよくわかっていて好印象です。
フロントパネルですが、入力ゲインやヘッドホンボリュームがちゃんと分かりやすく並んでいるので、録音中でもサッと調整できるのが便利。しかもLCDメーターで入力レベルが一目で見えるので、音がクリップしてないかとかもすぐ確認できます。
USBバスパワー駆動だから、電源ケーブルいらずでノートPCと繋ぐだけですぐ使えるのもありがたいポイント。MacでもWindowsでも安定して動くドライバがあるので、セットアップでつまずくこともほぼなし。
個人的には、初心者でも迷わず使えるし、中級者が自宅でちょっと本格的な録音をする時にも十分頼りになる感じです。小さなレコーディング環境や宅録でもストレスなく使えるのがMOTU M4の強みですね。
フロントパネルの視認性:LCDメーターが神
MOTU M4の最大の特徴のひとつが、高精細なLCDレベルメーター。
左右の入力・出力レベルがリアルタイムで表示されるため、録音時のピーク管理が圧倒的にラク。
LEDランプ式の他社モデルと違い、視覚的に安心感があるのがポイントです。
ノブと端子配置:直感的でストレスなし
- ヘッドホン出力が独立しているため、メインアウトと別に音量調整できるのも便利。
- 入力端子(XLR/TRS)とライン入力が前後に分かれていて、ケーブルの取り回しもスムーズ。
- ゲインノブの感触は滑らかで、微調整しやすい。
初心者でも迷わず使えるレイアウトで、触ってすぐ使える安心感があります。
ドライバとソフトウェア:安定性も高評価
- ループバック設定も専用ソフト不要で簡単に切り替え可能。
- Windows環境でもドライバの安定性が高く、ノイズや遅延の報告は少なめ。
- macOSではドライバレスで即認識、配信・録音ソフトとの相性も良好。
サイズ・設置性:省スペースでデスクに馴染む
- 金属筐体で高級感があり、見た目も所有感を満たしてくれる。
- USBバスパワー駆動なので、電源ケーブル不要でスッキリ。
- Windows環境でもドライバの安定性が高く、ノイズや遅延の報告は少なめ。
使い勝手まとめ
項目 | 評価ポイント |
---|---|
視認性 | LCDメーターで録音レベルが一目瞭然 |
操作性 | ノブの感触・端子配置が直感的で扱いやすい |
安定性 | ドライバが安定、ループバックも簡単に使える |
設置性 | コンパクトでデスクに馴染み、USBバスパワーで快適 |
他機種との比較|SSL2 MK2・Focusriteとの違いは?
MOTU M4を検討する際、よく比較対象になるのが「SSL2」と「Focusrite Scarlett 2i2」。
どれも人気の定番モデルですが、音の傾向や機能にそれぞれ個性があります。
3機種比較表(2025年時点)
機種名 | 音質の傾向 | 入出力構成 | 特徴的な機能 | 価格帯(目安) |
---|---|---|---|---|
MOTU M4 | 解像度・分離感が高くナチュラル | 4in / 4out | LCDメーター、ループバック搭載 | 約30,000〜35,000円 |
SSL2 | 中低域が太く、アナログ感あり | 2in / 2out | “Legacy 4K”スイッチで音色変化 | 約25,000〜30,000円 |
Focusrite Scarlett 2i2 | ややウォームで聴きやすい音 | 2in / 2out | 安定性・価格のバランスが良好 | 約20,000〜25,000円 |
音質の違い:どれが好み?
- MOTU M4:音の輪郭がくっきり。分離感・定位が優れていて、モニター用途にも最適。
- SSL2:中低域に厚みがあり、アナログライクな温かみ。
- Focusrite 2i2:ややウォームで聴き疲れしにくい。
機能・操作性の違い
- MOTU M4:LCDメーターが視認性抜群。ループバックも標準搭載で配信に強い。
- SSL2:音色変化スイッチがユニーク。録音時にキャラクターを加えたい人向け。
- Focusrite 2i2:シンプルで安定。USB-C対応でトラブルが少ない。
筆者視点のまとめ
アナログらしい温かみや音色の変化を楽しみたいなら → SSL2
コスパと安定性を重視するなら → Focusrite Scarlett 2i2
どの機種にも魅力はありますが、音質で選ぶという視点ではMOTU M4が一歩抜きん出ていると感じました。
SSL2やFocusriteも素晴らしい選択肢ですが、音の輪郭や奥行きにこだわるなら、僕は迷わずM4を選びます。
ループバック機能と配信用途|実はかなり便利
ループバックって何?配信者にとっての必須機能
ループバックとは、PC内の音(BGM、ゲーム音、ブラウザ音声など)をオーディオインターフェース経由で再入力できる機能。
これにより、マイク音声とPC音声をミックスしてOBSやZoomなどに一括送信できるようになります。
MOTU M4はこのループバック機能を標準搭載しており、専用ソフト不要で簡単に設定可能。
配信者や動画制作者にとって、音質を落とさずにミックスできるのは大きなメリットです。
実際の使用例
マイク:XLR接続のダイナミックマイク(Gain調整も余裕あり)
BGM:PC内のDAWで再生 → ループバックでOBSに送信
モニター:ヘッドホン出力でリアルタイム確認(遅延なし)
この構成で、マイク音とBGMを自然にミックスでき、視聴者側でも「聴きやすい配信音質」が実現。
しかも、録音と配信を同時に行っても安定性が高いのがM4の強みです。
Focusrite Scarlett 2i2やSSL2などは、ループバック非搭載のため、
配信時には仮想ミキサーや外部ソフトが必要になることも。
MOTU M4なら、ハードウェアだけで完結できるので、初心者にも扱いやすく、トラブルも少ないです。
- ループバック標準搭載で、配信環境がシンプルに
- 音質を損なわずにPC音+マイク音をミックス可能
- OBSやZoomとの相性も良く、安定性も高い
- 初心者でも迷わず使える設計
【注意点】 歪み問題と対策
歪み問題とは?
一部のユーザーから「録音時に歪みが出る」「高音が割れる」といった報告があり、特にWindows環境でのUSB接続時に発生するケースが見られるとのこと。
筆者も検証してみましたが、実用レベルで問題が出るほどではないので気にしなくて大丈夫かと思います。
原因としては、以下のような要因が考えられています:
- USBポートの電力供給不足(特にバスパワー駆動時)
- ドライバの設定不一致やバージョンの古さ
- DAW側のバッファサイズ設定が不適切
- 入力ゲインの過剰設定によるクリッピング
実際の検証例
YouTubeでも複数の検証動画があり、たとえば:
- 【検証&考察】MOTU M2,M4 歪み問題はどれくらいヤバいのか
→ 実際の録音波形を比較しながら、歪みの発生条件を丁寧に解説。
→ 結論として「環境次第で回避可能」「致命的ではない」との見方も。
対策メモ
- USBポートはPC背面の直結ポートを使用(ハブは避ける)
- ドライバは公式サイトから最新版をインストール
- DAWのバッファサイズは512〜1024で安定(低すぎると歪みやすい)
- マイク入力ゲインはピークが−6dB程度になるよう調整
- 録音前にLCDメーターでレベル確認(赤に触れないよう注意)
それでも気になる場合は
- 外部電源付きUSBハブを使うことで電力供給を安定化
- 別のUSBケーブル(高品質品)に交換してみる
- ASIO設定を見直す(Windowsの場合、WASAPIよりASIO推奨)
まとめ:事前対策で安心して使える
- 歪みは環境依存で、適切な設定で回避可能
- 録音前のレベルチェックとゲイン調整がカギ
- 最新ドライバと安定したUSB接続が重要
まとめ:10万円以下音質で選ぶならMOTU M4は「買い」
オーディオインターフェース選びで「音質」を最優先するなら、MOTU M4は間違いなく有力な選択肢です。実売3万円台という価格帯で、これほどの解像度・分離感・空間表現を実現できるのは普通にすごい。発売から爆売れ品薄状態になるのも納得です。
ただ、10万円を超えるような高級機と戦えるかと言われたら難しいのが本音です。あくまでも10万円以下のミドルクラス以下の中ではかなり優秀であると思ってください。まあ上には上がいるということで。
SSL2やFocusrite Scarlett 2i2も魅力的ですが、音の輪郭や空間の奥行きにこだわるなら、M4の完成度は一歩抜きん出ていると感じました。