音楽日記

『劇場版 鬼滅の刃 無限城編』レビュー!何度も観たくなる圧倒的な映像と音楽を独自視点で解説。

『鬼滅の刃』の映画といえば2020年に『無限列車編』が公開され、一躍話題になりました。今回の『無限城編』は期待以上のスケールでファンの期待に応えています。ストーリーの一部を映画化したものですが、”圧倒的な映像と音楽”に何度も見たいと思わせられました。

ネタバレは無いので安心してね。

圧倒的な映像と音楽

とにかく映像がヤバい。これはアニメシリーズから感じていたことですが劇場版はマジでヤバい。息をのむほど美しくて圧倒的な映像は、まるで実写映画のように表情や息づかいから情景を読み取れるほどでした。戦闘シーンでの緊張感が伝わってきて、観ているこちらも手に汗握る。

スクリーンの内側に入り込むような感覚があって不思議でした。映像がキレイなアニメ映画ってたくさんあるけど、他のは入り込むと言うより美術館で絵画を観ている感覚に近かいです。アニメ映画では初めての間隔でしたね。

そして音楽。今回は5.1chサラウンドで鑑賞しましたが、映画館の音響には毎回感動して鼻水が止まらん。特に印象に残ったのは戦闘シーンでの音の定位の使い方です。刀が交差する音や、鬼が空間を飛び回る音が「右から左へ」「奥から前へ」ってリアルに動く。そしてキャラクターの声や足音で敵の位置と距離を、観ている観客が感じ取れるのも一体感があって面白い。立体音響ってスゲー。座席は会場のド真ん中に座るのがおすすめ。

それと回想シーンでの静かな演出もすごく良かったです。無音から湧き上がる音楽がキャラクターの心情を見事に表現していたと思います。

複雑に絡み合う「鬼の事情」

鬼滅の刃はここが面白いんよね。
人間襲う鬼たち。その鬼たちひとりひとりもつらい過去や事情があることを戦闘中の回想で回収していく。

仇が人間だったか、鬼だったか、で運命が変わっていたかもしれないと思わせるところが、回想シーンを挟むたびに頭をぐるぐるしていたのは僕だけじゃないはず。

そんな鬼たちの心情を深く考察させられるのが面白いよね~。
ただの善悪では割り切れないところと、鬼の事情を感知した炭治郎が見せる隙。ここが観客との答え合わせになった気がして実におもしろい。そして驚きのあまり呼吸を忘れてしまうほどのセリフ力。いやそっちの呼吸ではない。それにしても炭治郎ってほんとにやさしいよな。

どちらが正しくてどちらが間違っているのかなんて戦いの中では曖昧になっていく中で、相手が人間であれ鬼であれそれぞれが何かを背負っていて何かを失っていて何かを求めていたのは確かなんだと思う。今回は特にお互いが「守りたかったもの」と「守れなかったもの」そこの事情が人間と鬼のターニングポイントだったのではなかろうか。

敵の背景を知った途端、見えてくる鬼たちの事情に複雑な気持ちになってしまう。

バトル漫画にありがちな展開ではあるけれど、それでも観客を一切置いていかない、シラケさせないところがすごいところだなと思った。

そして今回の映画の回想は映像と音楽の力でさらに倍プッシュ。過去ののどかなシーンから重く心苦しいシーンまで、鬼の感情を音楽となってそっと包み込むように描かれる。

ただのドンパチ戦闘との絶妙なバランスが面白さの核心なんじゃないかと思います。

ただ残酷で恐ろしいだけではなく、何かを背負って生きていたからこそ、生まれた存在。鬼側にもそう思える瞬間がたくさんありました。

『無限城編』はアニメに入り込む、そんな特別な時間を、まだまだ見ていたい、感じ取りたいと思わせるような映画でした。

以上です。

ところでなぜ、鬼たちは暗闇でも目が見えるのに無惨様は無限城を明かりでギラギラにしていたのだろうか。。。まあそれはいいか。。。(笑)

続編は来年かな?楽しみ。

ぜひ、イマーシブ音響のデッカいスクリーンで観てください。

お兄さんとの約束だ。

ではまた。